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CBD(カンナビジオール)に似ている名前「CBG(カンナビゲロール)」を知っていますか?実は「CBG」は希少成分であり、CBD同様、将来的に医療分野で期待できる可能性のある成分なのです!今回は、CBDの次に期待されている成分「CBG」について、特徴や期待される効能・疾患、おすすめの摂取方法についてご紹介します。
「CBDと似ているけど、CBGって何なのだろう?」と、気になったことはありませんか?
CBDオイルを探しているときに、一緒に含まれていることの多い「CBG」の文字。
現在のところ、注目度の高いCBDの陰で、目立たないCBGですが、実は「CBG」も将来的に医療分野で期待できる可能性のある成分だったのです!
「CBG(カンナビゲノール)」は、CBDと同じ薬用植物「アサ(ヘンプ・大麻草)」に含まれている成分のひとつなので、「植物性カンナビノイド」と呼ばれる”体の調節機能を活性化させる働き”を持っています。
現在までに植物性カンナビノイドは約104種類存在が確認されていますが、CBGタイプは約17種類あります。
また、CBGはCBDと同様に精神作用がなく、比較的茎に多い成分です。
さらに、104種類ある植物性カンナビノイドの中でも、精神作用をもたらすTHCが作用するカンナビノイド受容体(CB1)をブロックし、抑えることができるのは、このCBGとCBDの2種類だけとされています。
このように、沢山あるカンナビノイドの中でも、CBGはCBDと比較的似た性質を持っていることが確認されています。
「CBG(カンナビゲロール)」は、植物アサの内部にある時は「CBGA(カンナビゲロール酸)」として存在しています。
※“A”は、「Acid:酸」を表しています。
「CBGA」に熱や光・酸素による働き“脱炭酸”(二酸化炭素が除かれる反応)が起こると、「CBG」に変換されます。
上記の図の通り、植物性カンナビノイドの主要成分であるCBDおよびTHCも同様に、植物の中ではそれぞれ「CBDA」および「THCA」として、存在しています。
※ちなみに植物内にある「THCA」の段階では、精神作用はほとんどありません。
1990年代に入ると、日本の九州大学薬学部の正山教授らの研究で、“「CBGA」はCBDおよびTHCの合成酵素があると、「CBDA」や「THCA」となる“ということが、世界で初めて明らかにされました。
また、一般的なアサや産業用ヘンプには、CBDかTHCの合成酵素が多く含まれているため、大部分の「CBGA」がCBDAまたはTHCAへ変換されます。
全く合成酵素がない「CBGA」のみ、熱・光・酸素の働き(脱炭酸)が加わると、「CBG」に変換します。
このことから、「CBGはCBDやTHCの前駆物質(≒カンナビノイドの原点)」とされているのです。
前述した通り、「CBGA」は、その多くが合成酵素によってCBDAかTHCAに変換されます。
CBGの基となる合成酵素のない「CBGA」の量は、一般的なアサには1%未満しか含まれておらず、かなり“希少成分”なのです。
しかし、近年少しずつ「CBG」の品種改良の研究も行われており、2016年にはカナダのウィスラー社(Whistler Medical Marijuana Corporation)が通常のアサよりもCBGを多く含有したヘンプの品種改良に成功しています。*1
*1この品種改良によって、医療用の高濃度CBGオイル(登録者のみ購入可能)が発売されました。
注意
この医療用高濃度CBGオイルは、CBGだけでなくTHCも多く含み、その割合はTHC:3、CBG:2です。
なお、THC成分が含まれるため、日本での利用は「違法」となります。
現在、CBGの日本における販売方法は、オイルよりも“アイソレート(結晶・パウダー)”が一般的です。希少成分である“CBG”のアイソレートの価格は、0.5gで約1万円です。
なお、CBDのアイソレート相場はCBGの2倍の量(1g)で約1万円なので、やはりCBGの希少性が値段にも反映されている形となっています。
CBGの臨床研究数自体、まだ少ないのですが、それでも現在の初期試験段階でいくつかの薬理作用が確認されています。
現在までに有用であると報告されている作用は、以下の通りです。
ガンなど痛みを伴う疾患に対し、炎症の原因となる特定の分子をターゲットにして、炎症を抑える、痛みを緩和することに効果的であるとされています。
CBGは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のような作用を持ちます。
また、難病指定にもなっている過敏性腸症候群(IBD)に対して、イタリアではマウスによる動物実験の結果、CBGが過敏性腸症候群に有益に作用したという論文も報告されています。
(参考)Beneficial effect of the non-psychotropic plant cannabinoid cannabigerol on experimental inflammatory bowel disease.(2013年イタリア)
こちらのページでは、CBGのマウス実験の概要が確認できます。(英文)
前臨床試験(試験管の中の細胞・動物実験)において、細胞死を誘導したり、細胞増殖の抑制や腫瘍の血管新生を抑制したり、「ガン抑制作用」を発揮したと報告されています。
また、脳腫瘍・乳ガン・肺ガン・前立腺ガン・リンパ腫・白血病・口腔ガンでの研究が行われていますが、現状ヒトでの臨床試験はほとんどありません。
今後の研究によって、効果が明らかにされることを期待したいですね。
CBGは強い抗菌作用を持っており、ヨーロッパの研究では、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に有効であったと報告されています。
(参考)Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: a structure-activity study.(2008年イタリア)
こちらのページでは、CBGがMRSAに対して強い活性を示したとする論文の概要が確認できます。(英文)
私たちの骨は、成長期を過ぎると、古い骨を吸収→新しい骨が作られるという“リモデリング”が絶えず行われ、実は年間20~30%の骨が新しい骨に入れ替わっているのです。
CBGを含むカンナビノイド受容体(CB2)は骨細胞にも多く発現しており、新しい骨の成長・形成を促進することに期待できるとされています。
イギリスGW製薬による研究の中でうつ病治療にCBGが有用であると報告されています。
この件において、日本ではCBGを含む医薬品の発売は行われていませんが、実は日本でも既に特許だけは取得されていたのです。
(参考)カンナビゲロールを含有する医薬組成物のうつ病の治療のための使用|特許情報プラットホーム(特表2009-539961)
2015年、マウスを使った動物実験で難病指定されている「ハンチントン病(遺伝性の神経変性疾患)」において、CBGが抗酸化物質として作用し、また神経保護作用により運動機能が改善されたと報告されました。
さらに、炎症についても調整する働きを持つことも明らかになっています。
現段階ではヒトへの臨床実験は行われていませんが、これまでのところ根治療法がないとされていたハンチントン病に対し、新しい治療法として「CBG」が期待される結果となりました。
(参考)Neuroprotective Properties of Cannabigerol in Huntington’s Disease: Studies in R6/2 Mice and 3-Nitropropionate-lesioned Mice(2015年スペイン)
こちらのページでは、ハンチントン病におけるCBGの神経保護作用についての研究が確認できます。(英文)
これまで見てきた通り、CBGにもCBDに似た薬理作用を持っていることが分かっています。
現状、CBGの製品は限られているので、効率よくCBGの恩恵を受けるためのポイントを押さえておきましょう。
前述した通り、一般的にCBG製品は“アイソレート(クリスタル)”と呼ばれる、パウダー・結晶の形状で「CBG成分単体」として販売されています。
気になる味ですが、アイソレートタイプは「無味無臭」なので、CBDオイルのような草っぽい味はありません。
しかし、CBGだけでなく、CBDを含むカンナビノイドは「成分単体(他の成分を全く含んでいないもの)」で摂取するよりも、他の成分と一緒に摂取する方が、よりよい相乗効果を生む(アントラージュ効果)ことが判明しています。
そのため、効率よくCBGの薬理作用の恩恵を得るには、次のような方法がオススメです!
お手持ちのCBDオイルに混ぜて、オリジナルオイルにして摂取するのもよいでしょう。
また、CBDアイソレートと一緒に好きな飲み物に混ぜても、味が変わらないので摂取しやすい方法です。
アントラージュ効果を得るためには、「他のカンナビノイド成分と一緒に摂取すること」が大切です!
注意
ただし、CBGもCBD同様、疾患を直接治す薬ではありません。
体に重篤な副作用は確認されていませんが、薬理作用の感覚が掴めるまでは、少量から試すとよいでしょう。
精神作用のあるTHCを除いた、CBD・CBGなど植物性カンナビノイド全ての成分を含んでいる製品を“フルスペクトラム”と呼びます。
様々な植物性エキスを壊さないで抽出する(二酸化炭素抽出)必要があるため、非フルスペクトラム製品に比べ高価になりますが、アントラージュ効果を得られやすく、別途複数の製品を用意するより手軽に摂取できるので、おすすめです。
これまで見てきた通り、まだまだCBGの研究自体少ない状況ではありますが、前臨床試験では既に良好な結果が得られています。
今後、ヒトでの研究の進展に期待し、これからはCBDだけでなく「CBG」にも注目してみると面白いかもしれません。
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